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NEEDY GIRL OVERDOSE 全エンディング回収感想│ほんとうのさいわいってなんだろうね

OVERDOSE  NEEDY GIRL(二ディガ)をクリアしましたヨ!
面白かったので個人的な感想と考察まとめました。ネタバレありますので注意してね。

目次

「OVERDOSE NEEDYGIRL」 ゲーム難易度・所要時間

難易度 ★★
病み度 ★★
インターネット老人会度 ★★

「OVERDOSE NEEDYGIRL」は、承認欲求が強い女の子「あめちゃん」を配信者「超天ちゃん」として成功させるマルチEDアドベンチャーゲーム。プレイヤーはあめちゃんの「ピ」(彼氏)となって、超天ちゃんの動画配信からメンタルまでサポートをしてあげます。難易度は高くなくプレイ時間は10~20時間あれば隠しEDまで回収できるでしょう。

ちなみに、タイトルにもなっている「Needy」は 「かまってちゃん・依存体質の子」のことを指すスラング的な意味があるらしいですね。タイトル通りの恋愛にも「おくすり」にも承認欲求にも依存しまくっているあめちゃん・超天ちゃんを堪能できました。

ゲームの開発者である、にゃるら氏はインターネット黎明期をかけぬけてきたヲタクです。平成のインターネットミームやネットスラング的なものが多用されていて平成のヲタクには懐かしいような、恥ずかしいような気分になったのでインターネット老人会みを感じる作品です。

個人的に好きなED

labor is devil(月に1度の贅沢だけどお酒もちょっぴり飲んだわね)

【達成条件】好感度が高く(60以上)、病み度が少なく(60未満)、フォロワーが少ない状態(50万人以下)。
超天ちゃんとしての配信者は辞めて、バイトを始めて健全に生きていくも、ある日バイト終わりのLINEを最後にあめちゃんは、失踪してしまう。

とてもリアルなエンディングだと思いました。彼女は病み度も低く、彼氏のピとも幸せな関係であるはずなのに彼女は失踪してしまいます。、配信者も辞めて、二人でアルバイトでもしながら慎ましく一緒に過ごしてはいるものの、普通に生きることは彼女の幸せでは無かったということですね。

あめちゃんは学生時代に引きこもりだったり、精神科通いで自傷行為やODしちゃう位だからいわゆる「正常」な人生ルートを通っていない子だと思う。心の底では破滅願望を持っているんじゃないかなと思うだからもう今更「普通」には生きて行けないんだろうなとこのエンディングを見て思いました。

サブタイトルにつけられている「月に1度の贅沢だけどお酒もちょっぴり飲んだわね」はかぐや姫の「赤ちょうちん」の歌詞を引用されています。貧乏暮らしで同棲していたささやかな暮らしが幸せだったことを女性目線で歌った曲です。70年代の曲ですが、若い男女が狭いアパートで同棲する感覚は現代でも通じるものがありますよね。こういう生活は体感長くは続かない気がします。あめちゃんも毎日アルバイトをしつつ「本当にこれでいいのかな」と思ったはず。

Milky Way Train (約束された場所が永遠のUtopia)

【達成条件】ネットロア配信5をして、昼にODすると夜のおでかけで「銀河ステーション」に行けるようになる。

このエンディングは追加エンディングらしいのですが、音楽と星空のグラフィックが綺麗で好きです。BGMは作中歌「INTERNET OVERDOSE」のアレンジで良い。

お出かけの電車のグラフィックが黒い機関車になっていたり、配信のタイトルが「ほんとうのさいわい」というタイトルだったり、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」から引用されている。「銀河鉄道の夜に」では、ジョバンニが人の幸福のために何ができるか、本当の幸福とは何かを考えます。超天ちゃんも配信のなかで「本当の幸せ」について考えます。

このエンディングでは彼女が本当に思っていることをポツリポツリと語っている気がした。

「ほんとは、ずっとインターネットに取り憑かれる日々が地獄みたいだった」

引用:NEEDY GIRL OVERDOSE

現実から切り離されたインターネットで、あめちゃんが求めいた幸福ってなんだろう。
数字は増えて、客観的に見て幸せそうに見えてもそうじゃなかったと語る彼女はにとって本当の幸せはインターネットの世界に無かったのかもしれない。

「アナタはもっと自由に生きて、わたしが解放してあげるから」

引用:NEEDY GIRL OVERDOSE

彼女から、「あなたにとってほんとうに幸せって何?」「それはインターネットの世界にあるの?」と問われているような気がした。「ほんとうのさいわい」ってなんだろうね。彼女にとっても私たちにとっても何なんだろうと考える内容でした。

ちなみに、最後のウィンドウメッセージには「天使になれたよ」と表示されます。元ネタはアニメ「けいおん!」の劇中歌「天使にふれたよ」かな?語感が似ているだけかもしれないけど、なんとなく懐かしく感じた。

「インターネット」と「幸せ」

ニディガをプレイしていて、インターネットと幸せについてちょっと考えてみた。
インターネットが一般的に浸透して、現実とほぼ直結したものとなった現代、インターネットでの評価=現実の自分への評価であるようにも錯覚する。それは承認欲求だったり、嫉妬だったり、快感だったり、いろんな感情装置になっている気がする。

超天ちゃんがED「Milky Way Train」で「いろんな数字が伸びていって客観的に幸せそうにみえただろうけど、心はそうじゃなかった」と語っているように、本当の幸せはそんなところには無いんだよ。って言われている気がした。

みんなスマホにかじりついてネット世界に没頭する日々を送っているけど、結局のところネットの世界はまやかしなのかもしれない。とも思う。

私はツイッターのネガティブな面が苦手ですが、その理由がTwitterは本当に怒っている人が多いからです。政治・経済・事件・ニュース・身近に起こったこと・家族についてもやたら怒っている人を見かけるし、そんなツイートがよく拡散されている。

でも、ふとネットを離れて現実世界に目をやるとそんな怒っている人は居ないことに気づく。その時にTwitterの世界と現実の世界は本当に同じなのかな。とも思う。

ネット世界は孤独な世界の救いや居場所になる面もあるけど、現実世界とはやっぱり違うものである。そう考えたときに孤独を癒やしてくれていたはずのインターネットに居続けるのってわたしの本当幸せなんかな?とも考えるよね。
昔と比べると、インターネットって「繋がることが嬉しい」から、「繋がっているのがストレス」に感じることもありますよね。

結論:ニディガはイイぞ。

2023年上半期ハマったエンタメの中でも上位です。(ブームには乗り遅れましたが。)
ゲーム自体も100万本ダウンロードを突破して、Steamでもサマーセールをやっているのでまだプレイしていない人にはぜひやって欲しいですね。病んでる女の子や厨二病が大丈夫な人でネットカルチャーやサブカルチャーが好きな人はなら楽しめるゲームだと思います。

もれなく楽曲も良くて大好きです。

作品中でも再生できる楽曲:「INTERNET OVERDOSE」(Aiobahn feat.KOTOKO)

楽曲第二弾:「INTERNET YAMERO」(Aiobahn feat.KOTOKO)

良い曲すぎてずっとリピート。KOTOKO氏と電波ソングというのがまたエモエモだし、衰えない歌唱力の高さを改めて感じる。スゴイ・・・

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