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アニメ映画「グッバイ、ドン・グリーズ」感想!ここではない何処かへ行きたくなる青春アドベンチャー。電話ボックスの謎が気になる。

<<以下感想は映画グッバイ、ドン・グリーズの重大なネタバレを含みますので注意>>

オリジナルアニメ映画「グッバイ、ドン・グリーズ」観てきました!

最初に感想を述べますと、

  • 青春アドベンチャー+ファンタジー
  • 今いる場所から飛び出す勇気を与えてくれる
  • 奇跡のような3人の出会いと友情に感動

少々気になる点もありました。

  • ドロップが謎の少年すぎた
  • アイスランド黄金の滝にある赤い電話ボックスの謎

じんわり涙するシーンもあり、率直に面白かったです。
音楽や映像は言わずもがな超良かったので主にストーリーについて考察と感想を述べていきます。

目次

冒険は閉塞感からの脱出のきっかけ

自分が特に良いなと感じたのは、少年たちが持つ閉塞感から脱出する希望あるストーリーです。

3人の少年の悩み

◆ロウマ

地方出身者なら分かる地元と学校だけの世界の閉塞感に悩まされる。選択肢を自ら狭めているような気がする。

◆トト

医者の家系で地元では成績優秀、医者を目指すため東京の高校へ行っている東京では成績が振るわず挫折を感じている。

◆ドロップ

アイスランドからきた謎の少年。病気を患っており、寿命が僅かという大きな秘密を抱えている

物語のあらすじ

幼馴染のロウマとトト(ドングリーズ)のもとに現れたドロップ。3人は友人として夏休みを秘密基地を中心に、花火をしようとしたり、ドローンを飛ばしたり、遊んで過ごすがドローンは風に煽られて行方不明に。花火大会の後、山火事が起こり、噂でドングリーズたちが山火事の犯人にされてしまう。自らの潔白を証明するために行方不明になったドローンを探すという小さな冒険に出る。そこで彼らなりの大きな経験と友情を手に入れ、ドローンを探し当てる。ドローンには身の潔白を証明するものは録画されていなかったが、噂も自然と止んでいた。夏の冒険後、ドロップが秘密基地に現れることはなくなり、のちにドロップが亡くなったことを知らされる。突如訪れた友人の死を受け入れられないロウマとトト。秘密基地を撤去している最中にドロップからの宝の地図とメッセージを見つける。ロウマとトトはドロップが残した宝の地図を頼りに黄金の滝と赤い電話ボックスがあるアイスランドまで旅に出かける。

といったのが、物語のあらすじです。(うろ覚えですが)

閉塞感を感じているのは主にロウマとトトです。地元や学校など狭い世界が中心だった彼らは、ドロップとの出会いと分かれを体験し、3人での冒険をきっかけに世界へ飛び出す勇気をもちました。

田舎あるある+現代っ子の悩み

ロウマとトトはコンビニなどないような田舎出身の高校生。二人には田舎特有の閉塞感に加えてスマホやSNSが浸透した現代の高校生の悩みがあるように思えます。

ロウマとトトは幼馴染で、小学生の頃からの周囲の同級生たちのからかいの対象でした。

ロウマの家は農業をやっていて、肥料の牛糞を扱って手伝っているところをからかわれたりしています。

LINEではクラスのグループに入れられているものの、仲間外れにするような内容とほぼ悪口といじめになってます。ロウマは、自分がおかれている田舎社会+学校というかなり狭い世界だけを認識しています。

ゆきち
ゆきち

「LINEなんてほぼいじめじゃん!見なきゃいいのに。」
と連れに感想を言ったら「見たくなくても見ちゃうでしょ~」と言われました。確かに…

トトに関しては、個人的に共感するものがありました。

彼は、親が医者で医者になるために地元では東京の学校や塾に忙しそうにしています。地元では優秀だったが、東京の学校ではあまり成績が良くなく、着いていくのに必死という挫折を味わっているところに共感。

山中で迷っているシーンで、ドロップはトトに向かって「決まられたレールしか歩いたことないの?」と声をかけるシーンがあります。

中高生なんて親の価値観にかなり左右されるので、しょうがないものですけどトトにとっては自分でそのことを痛いほど感じ始めた時期だったかもしれませんね。

親が入って喜ぶような地元では名の通った進学校でも、全国的にみたら「どこそこ?」ってことよくありますよね。
学内のテスト順位が良くても全国模試を受けたら惨敗…なんてこと地方進学校に通っているあるあるだと思います。

田舎の高校生にとって、「あー自分ってすごくないんだなぁ」と一種の挫折を味わうタイミングがあることを思いました。

ドロップは結局何者だったのか??

アイスランドから来た少年ドロップが謎すぎて終始気になりました。

何か意味ありげなことを言いますし、実際に残り僅かな命という重大なものを抱えています。

ずっと二人で過ごしてきたトトとロウマのもとに急に現れて、二人を動かしていくドロップの存在はかなり大きいものです。

個人的にドロップの存在が謎すぎてアイスランドからきた=北欧神話=もしかして妖精?とまで思っていましたが、本当に病気の少年でした。

作中では直接的な描写はありませんが、ドロップは病気を患っており、寿命は長くなく、途中亡くなってしまうことが分かります。

それにしてもドロップは謎が多すぎるし、お別れのシーンも電話連絡で視聴側には実感がなく、本当に妖精だったんじゃないかと個人的には思っています。笑

3人をつないだアイスランドの電話ボックスの謎

THEファンタジーな要素として、この赤い電話ボックスの存在は気になります。

ドロップは「大きな滝の麓に赤い電話ボックスがあって、宝ものを教えてくれるというファンタジーなことを終始言っています。

この電話ボックスには奇跡が2つあって1.「ドロップが黄金の滝と電話ボックスをみつけたタイミングでトトとロウマからの間違い電話が電話ボックス宛にあった」というものと、2.「後々アイスランドを訪れるロウマとトトが発見したときに電話ボックスに電話がかかってくる」のです。

これは、2回目は結局どこからの電話で誰からの電話かは明かされないまま終わります。

素直に解釈すると、亡きドロップが二人を呼んだのかなと思います。

この世界のすべての事象が説明できるものではないと個人的には思っていますので、自分はこの作品における電話ボックスの存在は奇跡だと解釈しました。

正直この電話ボックスに関しては、超ファンタジーすぎてどう理解するかは自由かなと思います。

最期の電話ボックスのシーンは彼らは奇跡で繋がった出会いと始まりだったことを種明かしするものとしての役割のほうが大きいかなと思います。

ゆきち
ゆきち

ドロップがどうやってロウマたちを探したのかとか気になりましたが、その感想を言ったら連れから「野暮だ」と言われました。笑

3人は始まりから奇跡の出会いだったということに意味がありますかね。

総評:想像するのも楽しい「ものがたり」だった

入場特典の冊子とムビチケ!

すべてを説明しすぎず、行間を大事にしていますが、内容は分かりやすい物語でした。

「このときのロウマの気持ちはどうだったんだろう?」とか、「ドロップは何故秘密にしていたんだろう?」とか、心情や状況を説明しすぎないことによって想像したり考えたりすることができる作品です。

多少疑問に残る謎もファンタジーだから気にしたら負けな気がします。

登場人物たちも超ピュアな少年たちで純粋無垢な物語。今まさにこんな世の中で、青春を抑制されている中高生に見てほしい作品だと思いました。

もし、自分が中高生のときに見ていたら片田舎からどこへでも行けるんだという明るい未来が思い描けていたかもしれません。アニメによく影響も受けていたので。

私はもうすっかり大人になってしまいましたが、初めて飛行機に乗った時のようなどこへでも行けるような気持ちを思い出しました。

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