「平成ネット史 永遠のベータ版」を読みました!
平成に生まれ、思春期をインターネットとともにした自分にとっては面白いものでした。
掲示板・個人サイト・ブログ・ニコニコ動画など2000年代のネットカルチャーで育ってきた人には懐かしくも新しい発見があるかと思います。
今回は「平成ネット史 永遠のベータ版」を読んだ感想を綴っていきます。
「平成ネット史 永遠のベータ版」
「日本のインターネット史を総復習。愛とカオスのインターネット史。」と紹介されている通り、インターネットの誕生からネットカルチャーの発展、未来のネット社会について書かれています。
本書は2019年1月に放送され、トレンド1位となった特別番組「平成ネット史(仮)」を書籍化したものです。
インターネットの誕生(平成元年)~現代までインターネットの変遷を対話形式でまとめており、読みやすいです。
ライブドア創設のホリエモン、ブログの女王眞鍋かをりさん、ニコニコ動画で一躍人気となったヒャダインさんなどを交えた意見は当時のネットカルチャーの渦中にいた人ならではの感想も興味深かったです。
▼本書目次
1 インターネットの夜明け(平成元年(1989年)~平成9年(1997年))
2 ネットは「オタク」のものだった(平成10年(1998年)~平成18年(2006年))
3 通信速度が上がり「動画」の時代に(平成13年(2001年)~平成19年(2007年))
4 ネットが手のひらにやってきた!(平成11年(1999年)~平成19年(2007年))
5 黒船「iPhone」の衝撃(平成20年(2008年)~)
6 SNSで世界はどう変わったか(平成16年(2004年)~)
7 炎上とフェイクの時代(平成23年(2011年)~)
8 ユーチューバーがヒーローになった(平成25年(2013年)~)
9 これからネット社会はどうなっていくのか(令和元年(2019年)~未来)
目次がインターネットの年表のようでとてもわかりやすいです。
繋がりたくても繋がらないあの頃
本書でも語られていましたが、インターネットの誕生してから約30年、飛躍的に進歩したのは回線速度とパソコンの大きさだと思います。
当時小学生だった私はその仕組みがどうなったいるのかは分かりませんでしたが、電話線を使って接続していたのを思い出します。(ダイアルアップ接続)
「ピーヒョロロロロロロー」という音を出しながら待っていたのを覚えています。
今では昔に比べるとインターネットは爆速だし無線だし、繋がるために30分も待ったり、つながらない!なんてことは無い世の中になりました。
パソコンの大きさはいまや「スマホ」として手のひらサイズにおさまってしまいました。
本書でも、2000年代はみんなネットに繋がりたがっていた時代だと書かれています。
よく考えると自分もどんなに待ってもとりあえずネットはつけるみたいな生活を送っていました。
10代だったので目的はコミュニケーション。ネットで出会った知らない人とチャットしたりお絵かきチャットしたり、Skypeしたりと、とにかく「繋がる」ことが楽しい時代でした。
自分が経験したネットカルチャーと重ねると面白い
ネットカルチャーの発展は人間の歴史と同じく村~国~世界へと広がったなと感じます。
家(個人サイト)>村(掲示板や特定サイトへ)>国=世界(Twitter・facebookなど)になったなぁ~~なんて思います。
昔は個人サイトや個人管理人による掲示板・ブログ文化から「村」ができて、 「モバゲー」「ニコニコ動画」「Gree」などにサービスができ、 村の住人たちは新たに「国」へと自然と集まりました。いまや世界中とつながる巨大なSNS(Twitter,インスタグラム,facebookuなど)に人々は、集約されています。
93年生まれが触れたネットカルチャー
あまりにも「村」時代が懐かしいので自分が利用していたサイトやサービスなどを紹介します。
・個人掲示板(当時小学生が集まるような掲示板があった!)
・もなちゃっと(2ちゃんねるAAでチャットできる)
・AMIGOCHAT(ホームページやアバターが作れた)
・お絵描きチャット・お絵描き掲示板
・個人ホームページ作成
・前略プロフィール(みんなの黒歴史)
・yahooチャット・skype
・もえちゃっと☆
・mixi
・モバゲー
・魔法のiランド
・ニコニコ動画
・pixiv
10代のころはアニメやゲーム好きで声優にあこがれるような、よくいるサブカル陰キャの痛い学生でしたね。
デジタルでお絵描きをしたり、それをサイトや掲示板にアップしたりできる「お絵描きチャット」「しぃお絵描きBBS」「手書きブログ」などなど懐かしいサービスも利用していました。
自分がこうやって今ブログやっているのも10年以上前に個人サイトでポチポチHTML触った思い出からやっています。
みなさんのインターネット史はどうでしょう?ユーザーそれぞれに思い出と共有できる人がいることもネットカルチャーの良いところだなと思います。
繋がっているのが当たり前の現代
今の10代の子たちは生まれたときからインターネットやスマホが身近にあるデジタルネイティヴ世代です。
つながっていない状態を知っている私たち20台後半以上の世代とは異なり、現代の10代の子たちは繋がっていることが当たり前になってきています。
最近はゲームをプレイするときのコミュニケーションにとても便利なdiscordを主流に、誰かが通話にいて、好きな時に出入りしては話すという本当に身近な仮想空間が出来上がっているようにも感じます。
実はこれ、意外にも私が昔10代のころにやっていたyahoo!チャットやskypeに近いものを感じます。
昔は不特定多数が出入りするもののチャット部屋ごとに空気感が決まっていたり、交流を重ねると仲良い特定のグループができます。そうすると新規は入れずに身内だけで話すようになってSkypeでそのグループだけで通話をするような流れに移ることが多かったです。そこでは同じゲームを一緒に通話しながら楽しんだり、チャットを超えた楽しさにドハマりしました。
2000年代にユーザーが自然と求めていたことを、discordはより簡単で気軽で世界中の誰もが利用するということを叶えたように感じます。
よりネットとリアルが近い存在になった今思うこと
いまやネットは陰キャのオタクが使うようなものではなく2022年の日本を生きる現代人にはなくてはならないものになりました。
LINEやtwitterで誰かや世界と常時つながっている私たちは、その情報量の多さと速さに惑わされることもあります。
昔はインターネットは自分で情報にアクセスしに行く能動的なものでしたが、最近はAIやアルゴリズムの発達で広告・ニュース・動画など興味ありそうなコンテンツを永遠に表示してくれて私たちはそれを受動的に消費しつづけることができ、とても楽に楽しむことができます。
昨今は情報が早すぎること・多すぎることが逆に疲れるなぁと感じることが多々あります。
例えると「まだ食べ終わっていないのに料理が次から次へと運ばれる」ようだな~と。
情報量の多さに疲れたときは、「つながらない」という選択肢もありだと思えば少し心が楽になるかもしれません。
1日ネットやスマホ・動画を見ないだとか、LINEを見ないとか、twitterを見ないとか、そもそも悩みが多いならいったん退会してしまうのもありです。
楽しむためにも、適度な距離感を大切にする自制心も大事なのかなと思います。
さいごに
「平成ネット史 永遠のベータ版」を読んでみて、「つながりたい」時代から当たり前に「つながっている」時代に移行したネットの歴史は間違いなく自分で体感したものでした。
タイトルの通りネット上は完成していなくて良い永遠のベータ版です。今この瞬間もずっとアップデートされていくインターネットの世界は、未来どうなっていくのか楽しみです。
この本には、読んでいて懐かしいコンテンツやその裏側だったり、面白い話もたくさん乗っているのでネットカルチャー好きならぜひ一度読んでみることをおすすめします!
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